6 月 30 日に、覆面レスラーのスカルリーパー・エイジ大分市議が大分市を相手取り、訴訟を起こしました。
市議会ホームページと市議会だよりに覆面姿の顔写真の掲載などを求めるものです。エイジ市議は 2013 年 2 月に初当選して現在 3 期目、ベテラン議員といってもいいでしょう。
その 8 年間、ホームページではエイジ議員だけ写真がブランク、市議会だよりでも覆面姿の写真は一度も掲載されていないそうです。「議会は覆面姿での活動を支持してくれた民意を尊重していない」「各地方の声を上げられない議員に対して勇気をもって主張しましょうよ」
と訴えています。
覆面レスラー議員といえば、岩手県議を務めたザ・グレート・サスケ、大阪は和泉市議のスペル・デルフィン、そして長野市議のグレート無茶などが居ます。
いずれも品位に欠けると問題になったりしたようですが、こういった人達もいて、覆面レスラー議員は珍しいけど奇異な存在ではないともとれる現在、8 年も無視し続けている大分市は、民意をないがしろにしていると言われてもしかた無ないかもしれません。
しかし、スカルリーバー・エイジ議員が言うように、声を上げると多数派にいじめられてしまうことがあるというのが今の地方議会の現状です。
あちこちの地方議会で民主主義の根幹を揺るがすようなことが起きています。
それは民主主義の危機でもあります。
北海道門別町の梅村議員は、内部資料を SNS で拡散したことで謝罪文を読めとの懲罰が課され、拒否したために除名処分が下りました。(現在は除名処分の停止中で復職)内部文書とはいえ、傍聴者に配布予定の文書でした。
埼玉県日高市の田中まどか議員は、2020 年3月に日高市議会定例会で可決された議員辞職勧告決議により、議員活動の自由や名誉を侵害されたとして、市を相手取り訴訟を起こしています。
厚木市の名切文梨(ふみな)議員も議長や市を相手取り、会議録への記載などを求める訴訟を今年 2 月、横浜地裁に起こしています。
令和元年の12月定例会での名切議員の発言の音声が市議会が公開している議会の録画映像から削除され、会議録の文書から発言部分を勝手に削除されたからです。
湯河原の土屋由希子議員も議会からいろいろと嫌がらせを受けました。
若いお母さん議員がトップ当選し、忖度しない物言いをしたので多数派のいやがらせが続き、そんなことに屈しない土屋議員は裁判を起こしたというのが事の経緯です。
「地方自治ウォッチャーズ」である我々もこうした事態をもっと多くの方に知ってもらうべく、一回の主催イベントとして2021年7月18日(日)おだわら市民交流センターUMECOにて、講演会を開催します。(ZOOM 配信あり)
https://kensei-onbudsman.com/#br_katsudo1
講師は神奈川新聞社の田崎 基 氏です。
「記者が見る地方議会の今」と題して、名切議員、土屋議員の事例を題材に講演いただきます。
ここで田崎記者について少し紹介しましょう。
近著「令和日本の敗戦」の著者プロフィールには以下のように紹介されています。
「田崎 基(たさき・もとい)
1978 年生まれ。神奈川新聞記者。経済部、報道部、デジタル編集部、報道部遊軍記者を経て、現在経済部キャップ。憲法改正問題、日本会議、経済格差問題、少子高齢化問題、アベノミクス、平成の経済を担当し、取材を続けている。参画した神奈川新聞『時代の正体』取材班が、2016 年度JCJ賞受賞。共著書に神奈川新聞取材班著『時代の正体(Vol.1~3)』(現代思潮新社)、塚田穂高編著『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩書房)ほか。」
とあります。
この時から異動され、現在は報道部司法担当です。文中の「JCJ 賞」は新聞・放送・出版などにおける優れたジャーナリズムの仕事を顕彰するもので、1958年から始まった歴史ある賞です。
「令和日本の敗戦」―虚構の経済と蹂躙の政治を暴く
については出版社のリンクをご覧ください。
http://www.webchikuma.jp/articles/-/2009
http://kanawatchers.wp.xdomain.jp/wp-content/uploads/2021/08/令和日本の敗戦.jpg
現役バリバリの敏腕記者による講演会です!
ぜひ参加してください!